久米正雄のお家

郡山にDのお父さんをお見舞いに。そして郡山の文学館へ。文学館はともかく(映像とか面白かったけど!)、併設されている久米正雄のお家がとっても良かったです。明治、大正あたりの文豪の家って、洋と和が混在していて好きなんです。

鎌倉から移築してきたというこの家。庭や池までも移築してきたため、窓や縁側から見える景色もそのまま。後ろのビルが惜しいですね…。

玄関すぐ脇の編集者が待つためのお部屋。暖炉などがあります。あと壁紙が好き。柄付きの壁紙って、日本の家には、ハードル高い。この部屋には久米正雄ご自慢のコレクションが飾られているんだけど、枚数が多いよ…(この小さな部屋に絵画6点、彫刻2点くらい…)。梅原龍三郎とか、普通な感じで飾ってあったー。

ディテールがかわいい。左の信号のような機械は、書生さんが女中さんに来客の数を知らせるためのもの。これで数をみて、女中さんはお茶を出すらしい…まあ!でもまあそれくらい来客が多かったんでしょうね…。右は電灯。これは普通にかわいい。でもこれ移築前からあったのかは疑問が残ります。


二階にあがると書斎。ガラスの書棚いいな。他にも収納がたくさんあって、いい感じ。あと窓からは外の蓮の池が。一階は女中さんの部屋があったり、応接間があったりしたり、全体的にオシャレ空間だけど、二階は書斎と寝室だけ(二つとも和室)で、リラックス空間ですなあ。

おうちの脇にある蓮畑。蓮大好き!これが、窓から見えるなんて幸せやなあ。ちょっと季節が遅かったので、花はほとんどなかったんだけど…。
久米正雄といえば、漱石の娘に横恋慕(実際にはいろいろあったようですが)というイメージしかなかったんだけど、この家をみると一気に好きになるなあ。文学館に、久米が撮ったという映画が残されていて(あれを映画といっていいのかはわからないけど)、芥川が自殺2ヶ月前に子供とじゃれあっているような映像をみることができたんだけど、なんか久米自身のイメージが良くなりました(わたしの中で)。家、行ってみるものだなあ。